9月12日 第3回定例会

午後2時5分再開
○副議長(林恒雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 一般質問を続けます。
 9番・井上ノエミ君
   〔9番 井上ノエミ君登壇〕
◆9番(井上ノエミ君) みんなの党の井上ノエミです。これまでの発言と重なる点があるかと思いますが、私なりの視点で質問させていただきますので、よろしくお願いします。
 まず、昨日で東日本大震災から半年がたちました。改めてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、一刻も早い復興をお祈りします。
 私は、南米のボリビアに生まれて、エコノミストとして国連で働きました。また、ニューヨークにも住んでいました。日本に来てから15年になりますが、日本が大好きで、日本に帰化しました。特に墨田区は古い文化が残っているまちで、とても好きです。
 私の最初の質問は、国際観光都市、墨田区について、山崎区長に伺います。
 今、墨田区は国際観光都市を目指しています。福島の原発の問題もあり、大変難しいときですが、私も皆様と力を合わせて国際観光都市の実現に努力したいと思います。
 平成20年に墨田区は観光振興プランを作っています。スカイツリーがその中心ですが、観光にはメディカルツーリズムやエコツーリズムなどの新しいコンセプトもあります。墨田区は環境対策にとても熱心に取り組んできました。特に雨水の利用については、平成6年に雨水国際会議を開くなど、世界をリードしてきました。また、大変ユニークな雨水資料館もあります。墨田区の雨水利用は世界にアピールできると思いますし、また世界の多くの人も関心を持つと思いますが、区長のご意見を伺います。
 また、観光振興プランには、自転車観光というアイデアもあります。とてもおもしろいアイデアだと思います。しかし、自転車は交通事故が大変多いです。多くの区民も自転車を毎日利用していますが、交通事故が心配です。安心して自転車に乗れる自転車専用道が必要だと思います。区長のご意見を伺います。
 次に、墨田区には多くの外国人が住んでいます。外国人のための日本語のクラスもたくさんあり、私も「こんにちは」という日本語サークルで勉強しました。墨田区の人々は外国人に対してとても親切で、墨田区は外国人がとても住みやすいまちです。住んでよし、訪れてよしの国際観光都市をつくるために、すみだに住んでいる外国人の意見を聞く委員会を作ってはどうでしょうか。
 委員会を作ることで、区民と外国人との国際交流の機会をつくり、相互理解を促進することができます。委員会は大使館や国際機関などと一緒になって文化局の共有プログラムを作ってはいかがでしょうか。
 また、観光ガイドのボランティアも活動していますが、外国人観光客の対応は大丈夫でしょうか。外国人のボランティアも利用してはいかがでしょうか。区長に伺います。
 また、区役所にも外国人とコミュニケーションができる職員が必要です。今、英語、中国語、韓国語のできる職員は何人いますか。国際化のための人材育成について、区長のご意見を伺います。
 次に、教育問題について横山教育長に3点質問します。
 初めに、小学校の英語教育について伺います。
 今年の4月から全国の小学校の5年生と6年生は英語の勉強を始めました。墨田区では昨年から全部の小学校で始めています。墨田区は英語教育に頑張っていると思います。
 大人になってから英語を習うのは大変だと思います。でも、子どもは外国語をすぐ覚えます。子どもは外国語を覚える天才です。是非、墨田区の多くの子どもたちが英語でコミュニケーションできるようになってもらいたいと思います。
 英語がうまくなるためには、英語を使うことです。例えば区内に住んでいる英語のできる外国人をボランティアとして学校に来てもらい、子どもたちとお昼休みに交流してもらうのはどうでしょうか。英語は国際語ですから、ネイティブスピーカーでなくてもいいでしょう。インド、バングラデシュ、インドネシア、フィリピンなどのアジアの多くは英語が話せます。
 私は先日、あわの自然学園へ視察に行きました。とても立派なところでした。この施設を利用して、子どもたちが英語だけで生活するイングリッシュキャンプを夏休みにやるのはどうでしょうか。早稲田大学や国際基督教大学には留学生がたくさんいますから、墨田区の外国人や留学生に手伝ってもらえばよいと思います。
 また、英語のスピーチコンテストやスペリングコンテストを開催するのもよいと思います。子どもたちが英語を使えるような、いろいろな機会をつくってあげることが最も大事だと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、外国人児童の日本語教育について伺います。
 墨田区には外国人がたくさん住んでいますから、外国人の子どもたちもたくさんいると思います。錦糸小学校には日本語の教育が必要な子どもが19人いると聞きましたが、墨田区全体では何人いますか。外国人の児童が取り残されないようにしてください。
 今、日本語の教育はどのように行われていますか。英語教育と同じで、日本語を話す機会をたくさんつくってあげてください。日本語のスピーチコンテストやあわの自然学園を利用して、日本のキャンプをやってはどうでしょうか。
 最後に、学校でのいじめについて。
 今、学校では、いじめが大変大きな問題です。昨年、群馬県で、フィリピン人の母親を持つ子どもがいじめられて、自殺する事件がありました。両親が国際結婚の場合にはいじめを受けやすいと思います。墨田区ではいじめの問題をどのように把握していますか。また、どのような対策をしていますか。学校の先生はいじめを受けやすい子どもにどのような対応をしているのか、最後に伺います。
 以上で質問を終わります。
 山崎区長、横山教育長の明確なるご答弁をよろしくお願いします。(拍手)
   〔区長 山崎昇君登壇〕
◎区長(山崎昇君) ただいまのみんなの党、井上議員さんからのご質問に順次お答えをいたします。
 最初に、国際観光都市すみだの実現に関して、幾つかお尋ねがございました。
 本区の雨水利用の取組につきましては、平成12年に国際環境自治体協議会から高い評価を受け、国際自治体環境賞・優秀賞を受賞いたしました。また、これまでに墨田区主催で国際会議を平成6年と17年の2回開催し、延べ29カ国、約1万人の方々が参加するなど、雨水利用の普及を積極的に推進してきたところでございます。これらの取組を契機に、本区は雨水利用の先進自治体として、広く世界に知られるようになり、現在も国内外から多くの方々の視察・研修を受け入れております。
 ご指摘のとおり、環境対策は世界でも最も注目されている分野でございます。今後、国際観光都市すみだとして、墨田区の環境を紹介するに当たり、雨水利用の取組は国際的にアピールできる資源と考えております。「すみだ環境ふれあい館」において、雨水利用の必要性を紹介するとともに、環境団体等々と連携しながら、さらなる雨水利用の推進に努めていきたいと考えております。
 次に、自転車専用道の設置についてでございます。
 本区では、東京都が浅草通りの歩道において、歩行者と自転車の通行部分を視覚的に分離いたしまして、自転車走行空間として整備をしております。区道においても、自転車専用道の設置ができないか検討しておりますが、現状といたしましては、道路が狭隘であり、さらに店舗や工場等の荷さばきで自転車と交錯するおそれがあるため、自転車専用道を設けることはなかなか難しい状況でございます。
 しかしながら、可能な路線を選定して、自転車の通行や沿道の店舗等の荷さばきの状況を調査して、自転車専用道の設置が可能かどうか、引き続き検討させていただきたいと存じます。
 次に、外国人観光客への対応についてでございます。
 東京スカイツリーが開業しますと、国内外から多くの観光客が本区を訪れることが見込まれており、外国人観光客への対応は大変重要なものと認識しております。
 区といたしましては、公共サインを多言語に対応したものとして整備するほか、観光協会では、ホームページや観光案内パンフレットの一部を多言語対応としております。また、吾妻橋観光案内所には観光協会で英会話の可能な職員を配置し、外国人観光客への対応を行っております。
 ご提案にありましたように、観光ガイド事業へのボランティア参加も含め、観光事業の推進に関して区内在住の外国人の方にご協力をいただくことは大いに検討すべき課題と認識をしております。また、現在、区内に外国人の方々との交流を目的に国際交流推進クラブが活動しておりますので、こういった場を通じまして、直接外国人の方からアドバイスもいただければと、そのように考えております。
 次に、外国人と話せる職員は何人いるかとのご質問でございます。
 各職場で外国人への対応が生じた場合に備えまして、一定の語学力がある職員の登録制度を設けております。これは職員の自己申告に基づき、外国語の会話や文章能力の程度等を登録しているものでございまして、各職場の必要に応じて名簿登録者に協力を依頼いたしまして、外国人への対応を行っております。現在の登録者は10人でございまして、外国語別では、英語が6人、中国語3人、ベトナム語1人となっております。このほかにも語学に堪能な職員はいるものと思われますが、業務中に応援がしにくいなどの理由から登録をしていないケースもあるものと思われますので、さらなる発掘に努めてまいりたいと存じます。
 また、国際化戦略のための人材育成についてでございますが、現在、職員の自己啓発支援の一環として、語学の通信教育受講助成を行い、語学力の向上に努めているところでございます。さらには、本区を訪れる外国人に対しては、日本人と同様、職員が「おもてなしの心」を持って接することが何よりも大切であると認識しております。従来から、マナーアップ運動などを通じて、親切・丁寧な接客を心がけているところでございますが、今後とも、外国からの来訪者にも満足いただける対応ができるよう、職員の育成を目指してまいります。
 以上で私からの答弁とさせていただきます。
   〔教育長 横山信雄君登壇〕
◎教育長(横山信雄君) みんなの党、井上議員さんのご質問に順次お答えいたします。
 初めに、小学校の英語教育に関するお尋ねがございました。
 今年度より小学校学習指導要領が完全実施となり、全国の小学校の5年生、6年生で外国語活動が実施されております。本区では、英語によるコミュニケーション能力を高めるため、昨年度より区独自のテキストを用いて実施をしております。
 議員ご指摘のとおり、英語を使えるようにするために、いろいろな機会をつくることは大変重要であると認識しております。そこで、本区では独自テキストを作成し、児童の英語活動に対する関心・意欲とともに、英語の活用力を高めることを目指した環境を整えました。授業時数も年間50時間以上実施し、英語に触れる機会を拡大しております。また、英語を母国語とする外国人講師を5年、6年生各学級に年25時間配置し、英語に慣れ親しむようにしております。
 小学校における英語教育については、すべての児童の英語によるコミュニケーション能力の素地を養うため、まずは学校現場での指導の充実を図っていくことが肝要と考えております。
 議員よりご提案のありました外国の方の活用につきましては、特色ある教育活動として、留学生との交流を行っている小学校もございます。スピーチコンテスト等につきましても、特色ある教育活動の一環として実践することも考えられますので、各学校や児童の実態を踏まえて、英語を使うさまざまな機会を設けることについて、今後検討してまいりたいと考えております。
 また、夏季休業中に実施する、いわゆるイングリッシュキャンプにつきましては、学校の教育活動とは別に行うことになるため、さまざまな課題があることから、その実施に当たっては十分検討する必要があるものと考えております。
 次に、外国人児童の日本語教育に関するお尋ねがございました。
 国籍を問わず、日本語の定着が十分でない、いわゆる日本語教育の必要な児童は、昨年の調査では66名という報告がございます。議員ご指摘のとおり、教育委員会といたしましては、外国人児童等に対して、学校生活や学習を円滑に行うことができるように支援することは、本区の教育上の大きな課題であると認識いたしております。
 現在、小学生については、梅若小学校日本語通級指導教室や通訳派遣において、日常会話や生活習慣の習得などの日本語初期指導と教科の補習を行っております。また、錦糸小学校児童については、すみだ国際学習センターの指導員が対応しております。
 今後も、日本語通級指導教室やすみだ国際学習センターを拠点にして、家庭との連携を含めた学校支援のネットワークの構築を行い、支援体制の充実を図ってまいるとともに、ご提案にもございました外国人児童が日本語に触れ合う機会をさまざまな工夫を凝らして実施できないか検討してまいりたいと考えております。
 最後に、学校でのいじめ問題に関するお尋ねがございました。
 いじめの防止については、すべての学校、教職員が自らの問題として切実に受け止め、徹底して取り組むべき重要な課題であると考えております。
 教育委員会といたしましては、いじめの未然防止・早期発見のため、児童・生徒の生活実態のきめ細かい把握に努めるとともに、いじめを見つけるための積極的な取組を行うこと、また、いじめの把握に当たっては、スクールカウンセラーや養護教諭など、学校内の専門家との連携に努めること等を校長会や副校長会、生活指導主任会などを通じて各学校に対して指導しております。これに加え、昨年度より全小中学校がアンケートを実施し、これまで以上にきめ細かい実態把握に努めるようにしているところでございます。
 なお、学校で発見したいじめについては、例月の報告書により把握し、早期解決を目指して、学校、教育委員会、関係機関とが連携した対応を行っております。その際、いじめられている児童・生徒の心のケアに努めるとともに、いじめている子どもに対しては、いじめの非人間性やいじめが他者の人権を侵す行為であることに気付かせ、他人の痛みを理解できるような指導を根気強く継続して行っているところでございます。
 今後とも、学校、教育委員会、関係機関がより一層連携を深め、学校教育活動全体を通して適切に指導してまいります。特に、道徳教育、心の教育を通して、お互いを思いやり、尊重し、生命や人権を大切にする態度を育成し、友情の尊さや信頼の醸成、生きることのすばらしさや喜び等の指導の充実を図るよう努力してまいりたいと思っております。
 以上で私からの答弁は終わらせていただきます。